レクリクラモカカリ

カクレカラクリ?An Automaton in Long Sleep
 カクレカラクリを読んでいる。現在第四章。森さんの小説はいつも読むのに時間がかかる。
 コカコーラ120周年記念とのコラボ、ということらしいけれど、まあ単に作品中にコーラが何度も出てくるというだけ。この作品は始めから実写ドラマ化が決定したうえで書き下ろされたもので、9月13日に放送予定。一応、森作品としては初の映像化とのこと。
 森さんの文体というか、キャラクタの台詞回しはわりと独特なので……文章であることをよく自覚している文体とでもいうか。そんな感じなので、実際に役者さんが言葉にして使うものとしては違和感が出てしまうと思う。そこらはたぶん、適当に脚本の人がなんとかしてるんだろう。そうすることで森作品らしさが失われるとしても、メディアミックスというのはそういうものなので仕方ない。劣化や変色を免れないという意味で、オリジナルに勝るコピーはない。コピーの手法そのものが、文章から映像という無茶な試行なのだし、補わなくてはならない要素が多すぎる。
 ということで、始めからそれぞれが独立した別個の創作品であると認識していれば、なんら問題はないと思う。そんな風に見る人はあまりいないだろうけれど。
 それにしても、森さんの作品に出てくる女性像はどことなく偏ってる感がある。男性像もまあ、いくつかのパターンに当てはまるけど。あまり人種の多様性を書くことは上手くないのかも。
 とはいえ、どんな作家でもある程度の偏りは避けられないし、それが作風とか個性とか呼ばれるものの源になったりもするので、一概に多様であればいいとも言えない。むしろ売れるためにはパターン化させるのが得策だと思う。

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